
スカイエネカット

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製品特徴
スカイエネカットの原理と効果
スカイエネカットとは?
スカイエネカットは打ち水と同様、水の潜熱(気化熱)を利用して、冷房サイクルにおける凝縮圧力をさげて、圧縮工程を助ける働きがあります。
冷房運転時の「省エネ」「省マネー」、冷房ピーク時の「高圧カット防止」「冷房安定運転」など夏場にフル稼働する空調システムにとって、スカイエネカットは大きな効果を発揮します。
冷房サイクルとは
- 蒸発器の空調負荷(熱)で蒸発した冷媒ガスを凝縮液化させるために、圧縮機で高温高圧の気体に圧縮します。
- 凝縮器で外気と熱交換し、冷媒ガスは高圧の液体になります。冷房時、室外機から熱風が出るのは、冷媒ガスから放出された熱です。
- 凝縮器で液化された冷媒は膨張弁で減圧され、蒸発しやすい低圧の液体となります。
- 蒸発器で室内空気から熱を奪って、冷媒は気体に変化します。
■ 省エネ理論

スカイエネカットの動作条件と効果
スカイエネカット運転条件
(注)ダイキン工業製インバーター機に取り付ける場合は、室外機の負荷状態(高圧圧力、低圧圧力)も考慮して電源供給されています。外気温度がエネカットの設定温度に達した場合でも、室外機の負荷状態によっては動作しない場合があります。
スカイエネカットの効果
■噴霧制御と電力量削減イメージ
- 省エネ性能と洗浄性能を両立する噴霧制御を採用。
- 高圧変動を抑えた噴霧制御により、乾燥時間に発生する高圧上昇を抑制できます。
■スカイエネカット効果模式図
電力基本料金の削減
空調機の電力使用割合が高い物件では、削減効果が大きくなります。

※1<試算条件>
- ・ダイキン製ビル用マルチ:RSXYJ280KC×1台
- ・規格:JRA4048(2006) ・大阪地区
- ・建物負荷:事務所相当 ・外気補正温度:+3℃
- ・契約種別:業務用電力6kW
※2<試算条件>
- ・ダイキン製ビル用マルチ:RXYP280AA×1台
- ・規格:JRA4048(2006) ・大阪地区
- ・建物負荷:事務所相当 ・外気補正温度:+3℃
- ・契約種別:業務用電力6kW
注意
インバーターエアコンの場合、過負荷運転状態になると、保護制御により圧縮機能力が低下するため、冷房能力が低下します。この状態でスカイエネカットを使用すると、高圧低下により圧縮機負荷が軽減される為、冷房能力が確保できる代わりに、消費電力量も増加します。その結果、最大需用電力が高くなる場合があります。インバーターエアコンにおいても、最大需用電力を確実に削減したい場合、設定変更により対応できます。
冷房安定運転・高圧カットの防止
- 既設エアコンの冷房能力改善
- 過負荷運転状態における、インバーター室外機の冷房能力改善
- 将来的に冷房能力不足が予想される事による備え
- デマンドコントローラー設置物件において、作動回数の低減
高圧カットとは
室外機を狭小設置した場合、排熱によるショートサーキット、外気温異常上昇などが起きることがあります。
凝縮器での熱交換が不充分となり圧縮機に大きな負担がかかり、圧縮機保護のため運転を停止することです。
- 条件
-
・室外機:RZYP140K
・室内27℃DB、19℃WB ・水圧:0.2MPa、水温:21℃
インバーター室外機における、スカイエネカット有無時の消費電力、冷房能力特性
※外気温度による能力、消費電力特性が異なる室外機にエネカットを取付けた場合、能力・消費電力変化率は変わります。
室外機設置スペース削減
特にビル空調においては、OA化による空調負荷の増加で、空調機の大型化が進み、室外機の設置スペースが狭小化する傾向にあります。
このような場所では、ショートサーキットが発生し、室外機の吸込み温度が上昇、冷房能力が低下する場合があります。
スカイエネカットを使用すると、室外機の排熱温度を低下できるために、室外機設置スペースを約40%削減できます。
腐食抑制技術
腐食の要因と腐食抑制技術
スカイエネカット使用により発生する室外機熱交換器アルミフィン腐食は主として、スカイエネカット噴霧水中に含まれる塩化物イオンが濃縮することによって起こります。
そのため、噴霧水が十分にかからない箇所や、濃縮した塩化物イオンが十分に洗い流されないような箇所では、腐食が発生しやすくなります。
腐食成分が濃縮しないようにするためには、
①ムラのない噴霧(熱交換器全面に均一に噴霧できるノズルの使用)
②濃縮した腐食成分を除去し、濃度を低減させる噴霧(洗浄噴霧制御)が必要です。
E形スカイエネカットでは、このような腐食抑制技術により、従来機で特に発生しやすかった、熱交換器側面・下部での腐食を抑制し、熱交換器全体で腐食生成物の発生を、約85%低減することができました。
洗浄噴霧制御
スカイエネカット運転中、一定時間毎に連続して噴霧することで、室外機熱交換器上に析出、あるいは濃縮した腐食成分を、洗い流す事で腐食を抑制する噴霧制御
腐食抑制技術の効果範囲
腐食抑制技術とは、スカイエネカット噴霧水中に含まれる塩化物イオンにより発生するアルミフィン腐食を抑制するための技術です。その他の要因(塩害地域における海塩粒や自動車排気ガスに含まれる成分)によって引き起こされる腐食につきましては、抑制効果は未定です。また腐食抑制技術は、腐食抑制を保証するものではありません。スカイエネカット設置時には従来と同様、防錆剤スプレーを使用してください。
●腐食の要因
- 水質による影響・・・・工事部材カタログに記載の水質基準値を上回る。
- 海岸近くで、空気中に海塩粒が含まれる。
- 強酸性雨が降る。
- 幹線道路沿い、交通量の多い交差点付近、駐車場近辺等空気中に自動車の排気ガス濃度が高い。
- 熱交換器フィンに傷や変形があり、噴霧水の水はけが悪い。
- 熱交換器にスケールやごみが付着し、噴霧水の水はけが悪い。
- エアコンの負荷が高く、噴霧水の蒸発量が多い。
●アルミフィン腐食・脱落のメカニズム
●腐食による性能への影響
熱交換器の腐食により、アルミフィンが脱落した場合、外観は悪くなりますが、冷暖房能力にはほとんど影響ありません。
フィン腐食による性能への影響(例)
フィン消失率※ | 高圧上昇値 | 冷房能力 | 暖房能力 |
---|---|---|---|
1列のみ20%(表面腐食) | 0.07MPa | 98.5% | 99.0% |
1・2列共10%(貫通腐食) | 0.07MPa | 98.5% | 98.5% |
〈条件〉 温湿度:室内外共 JIS標準条件 スカイエア5HP 60Hz運転時 熱交換器列数:2列
※フィン消失率 = 腐食しフィンが消失した面積/熱交換器前面面積×100 (%)